「アイテム」トップ > 活用校の声 > 子どもたちに挑戦する気持ちを持たせたい!日本教育新聞 記事連動取材 2018

アイテム通信

日本教育新聞記事連動取材2018

 福岡市立鳥飼小学校(立光浩美校長)では、アイテムを全校で採り入れて4年目となります。「子どもたちに勉強の楽しさ。わくわく感を体感して欲しい」と従来の計算ドリルからアイテムに変えたとのこと。4年目の今、そうした想いにどれだけ近づいたのか、子どもたちの意欲はどのように変容したのかを立光校長にお聞かせいただきました。

item算数との出会い

最初に、アイテムに出会った経緯をお聞かせください。

立光校長

 最初の出会いは、他市の公立小学校での勉強会でした。その次は、筑波大学附属小学校でのスプリングフェスティバル(算数授業研究会)で、次世代教育の方に直接説明をいただきました。『私は使いたいのですが、職員ができないと答える』とお伝えすると、担当の方が『アイテムは全ての問題を全ての子どもが解くという趣旨では作っていません。一人ひとり学力が違う児童に挑戦領域を持たせるという工夫をした教材なんです』との回答に合点がいきました。

実際に導入されるとき、一気に全学年で採択したのですか。それとも徐々に取り入れたのですか。

立光校長

 全学年に一気に採択しました。ちょうど学校の変わりどきに、私が赴任してきました。本校は学力が比較的高いです。学力が高い子どもが時間を持て余し、どことなく生徒指導上の課題があるという状況の中で赴任してきました。3月の下旬に本校への赴任が決まった段階で、当時の主幹教諭に連絡を入れて、本校の学力課題を考えて、アイテムを使いたいと思っていますので、検討をして欲しいということを伝えました。

校長先生の中には、子どもたちに算数の面白みや楽しさを味わってほしいというような思いで教材を取り入れていると思います。例えば、算数のこういう力を付けてほしいなど、校長としての思いがありましたら教えてください。

アルゴリズムからの脱却

立光校長

 算数に限らず、勉強は面白く、わくわくする、ということを子どもに味わってほしいと思っています。 計算などの、見ただけで分かる問題は楽しくありません。計算はアルゴリズムを覚えればいいだけです。筑波大学附属小学校の先生がたも語っていますが、計算ができるようになるということは、考えなくていいということを裏のカリキュラムで教えている、ということです。ですから、計算ができるようになることを繰り返すことは、考える楽しさを子どもに教えていないことだと、私は思っています。どうすればいいか考えた時、はっと思う瞬間があります。これを子どもに味わわせたいということが私の思いです。アイテムにはそれが実現できる、いい教材がたくさん入っていますので、いつか学校で使いたいと思っていました。

実際の活用について教えてください。いろいろな使い方があると思います。鳥飼小学校ではどのような形でお使いになっていますか。

立光校長

 1年目は、全部をやらなくてもいいということを強調しました。ただし、『算数の時間に早く終わっても、本を読ませるのはやめてください』、『早く終わった子はアイテムをさせてください。』、『算数の時間は算数で使ってください』ということを先生方にお伝えしました。
 2年目以降は、学校経営案の中に、活用の問題に取り組める子どもを7割にすると資料として提示しました。先生たちはそれに向けて指導をしています。保護者の方々へは、アイテムの端書にもあるように、活用、探究の問題が解けたらば『すごい!』と子どもを褒めてあげてくださいとお願いしました。そんなふうに宿題としても使っています。
 ときどき自習のときなどに教室に入り、『このクラスで難しい問題を解けた人はいますか?』と聞いたりします。すると子どもが一生懸命説明してくれます。子どもは面白いです。大人が間違うと必死で説明してくれます。大人が子どもの前で分かった振りをすると、子どもは何も話さなくなります。私が間違っていたりすると『校長先生、それは違います!』と言って、一生懸命説明をします。それを聞いている子どもたちの目が輝かしく、誇らしげなのです。自分のクラスの仲間が、算数で校長先生に説明をしています。体育の時間で、はやぶさ飛びができるクラスのお友達がいると、すごいと思いますよね。体操選手のように、難しい技を跳び箱でしている友達がいると、誇らしいですよね。それと同じような気持ちを、算数で持ってほしいと願っていますので、ときどき仕掛けます。

教師と児童の変容

今年で採択4年目となりますが、先生がたの意識に変化のようなものはありましたでしょうか。また、子どもたちのアイテムについての印象はどうなのでしょうか。

立光校長

 アイテムの活用は、あまり変わっていません。6年生の先生は、『自分のできない問題を見つけるものが、アイテムです』と言ってくれています。『自分のできない問題を見つけて、それに挑戦することが大事で』」と言ってくれている先生もいます。先生たちは本当に熱心です。本当は自学自習用の教材ですから、点検はしなくていいと私は思っていますが、担任は必死で点検をします。この重たいアイテムを丁寧に確認しています。ですから成果が出ているのだとは思います。
 先日、子どもたちにインタビューをしました。『計算だけのドリルに戻しましょう』と言うと、『嫌です!』と言われてしまいました(笑) 『計算だけのドリルは嫌です』と言うので、『なぜですか?』と聞きますと、『アイテムは予習と復習ができます。分からないところがあったら、元に戻って自分で復習ができるし、明日の授業の予習ができます。そういうアイテムがいいです』と、その子たちは言っていました。
 それからミニバスケットを一生懸命頑張っている子は、『僕にはアイテムがありますから、塾に行かなくても大丈夫です。アイテムをきちんと解ける力が付いていたら、塾に行く必要はないです』と言っていました。子どもたちの中には、問題に挑戦する力が付きつつあるのではないかと思っています。見ただけでは解けない問題があるということを子どもたちは知っているわけです。ですから挑戦する気持ちにはなっていると思います。考えることがとても楽しいと思ってくれている子どもが増えていることは現実だと思います。

考えるこどもを育てる

算数だとどうしてもパターンで覚えてしまうという面があります。ですがアイテムの場合、きちんと読んで理解しないと解けない問題があるということですよね。

立光校長

 読んで理解しなくても解ける問題はたくさんありますが、世の中には面白い問題もたくさんあると思います。通常、3年生のときから、式で思考しようとします。日本の算数教育は筆算が中心で、計算ドリルを中心とした計算をしていますので、数字を見ると筆算をする人が大半です。ですが、筆算をするのは小学校だけです。大人になりますとエクセルに数字を入れると計算をします。お店行くと携帯電話を出して金額を割ります。今はSiriに、3万6000円を4人で割ってくださいと言うと、Siriが答え出しますから、筆算がいかにできるかということは重要ではありません。数の感覚を身に付けて、数にアプローチできる子どもに育てたいのです。

3年生の11ページにこういう問題があります。筆算したくなるでしょう。ですが、これは私が導入した年の学力調査のA問題にもありました。699を700と見るのです。
アイテム算数

■アイテム算数3年「たし算とひき算」11ページ 探究「チャレンジプラス」より
アイテムでは、難易度の高いステップ4の中で、特に思考力が必要と思われる問題を「チャレンジプラス」として設定しています。

700引く1ですね。

立光校長

 そうすると筆算をしなくても計算ができます。こういう力がないと、4年生の式と計算で25掛ける4を使って計算をしましょうというようなことは突然できません。日ごろから数を見ていますと、これは60だからと見ることができたり、700と見ることができたり、数そのものに敏感になっていきます。外国では100は25の4倍であることを、よく使います。九九はありません。25セントがありますし、英語圏は分数の文化です。外国はもともと母数が12ですが、日本は十進位取り記数法です。数そのものを使える子どもにしようと思いますと、アイテムには自然に良問が入っているのです。ですから、子どもたちのほうで良問に触れていくことができ、力が付くように巧く作られていると思っています。

本気で算数を勉強するということ。本来、計算ができる力はそれほど求めらていません。先日、文部科学省から来ていた学力調査についての第一報では、案としてA問題とB問題を統一化ということが言われていました。計算をいくらやっても、A問題にもB問題にもそんな問題は出てきません。学校現場の多くでは、どれだけの時間を使って、どのような力を付けたいのかが明確になっていません。算数といえば計算ができる力っていうのが、職員の中にも刷り込まれています。ここは、真剣に見直さなければならないと思っています。アイテムを子どもたちに触れさせながら、これからも、考える子どもにしていくことが大事だということを、広げていきたいなと思っています。

School Data

福岡市立鳥飼小学校
福岡市立鳥飼小学校
〒314-0103
福岡県福岡市城南区鳥飼4-13-2
児童数:763人

パンフレット「アイテム算数のご案内」

パンフレット「アイテム算数のご案内」